新車売り上げ台数は、年々減少傾向にあります。一方で中古車市場に目を向けてみると、販売台数は年々微増傾向です。
二輪業界が衰退傾向にあると感じるのは、新車市場に目を向けるメディアの情報にバイアスがかかっているとも捉えられます。
希少な車種から欲しいバイクの型落ちを手頃な価格で手に入れることも可能な中古車市場は宝の山とも言えます。素敵な出会いをするため、中古バイクの選び方についてのアドバイスを排気量別にご紹介します。
50cc(原付)
近距離の移動や通勤・通学を仕様用途とすることが多い原付バイク。日本国内でラインナップされている原付バイクの多くは、スクーターになります。
気軽に乗れることがメリットですが、小さい排気量ゆえの注意点をカテゴリーごとにご紹介します。
エンジン周り
50ccの小さな排気量となる原付バイクには、常用するエンジン回転数が高くなる傾向があります。
さらに、現在発売されているインジェクションモデルは、暖気をしなくても走行できてしまうがゆえに、エンジンにとって過酷な使用状況になりがちです。
そのため、走行距離数が8000kmを超える原付バイクに関しては、自分でバイクを直すことが趣味の方以外は敬遠すべきです。いくら整備済みと明記していても、エンジンの寿命が縮まっていることにかわりはありません。
車体周り
通勤や通学で密集した場所に駐車する機会の多い原付バイク。それゆえに傷が多い中古車が多いです。傷なら許せる方も多いかと思いますが、見えないところで外装が割れていることも。
タイヤやブレーキ周りの消耗品については、5000kmも走行すればタイヤは4分山ほどに消耗し、ブレーキパッドは交換時期に達するものもあります。
必ず下回りやシート下スペースなど、目視でチェックできる箇所は必ず確認をしてください。
構成パーツが小さく華奢な傾向がありますので、ハンドルの曲りやステアリングの曲がりにも注意が必要です。
駆動系パーツ
スクーターのトランスミッションは、ベルトを使った無段階変速機を採用しています。
5000kmを超えるような車輌の場合は、メンテンスノートや販売店に交換履歴を確認することをおすすめします。
エンジンを始動し、異音がしていないかのチェックも忘れずにしてください。
原付バイクは気軽に購入できるジャンルになりますが、中古車選びは最も慎重に選ぶ必要があります。
125cc
巡航速度が高い幹線道路で一番よく見かける、125ccクラスのバイク。通勤快速としての 使用用途が多く、販売台数が最も伸びているカテゴリーです。
オートバイタイプから利便性の高いスクータータイプまでラインナップされています。クラス特有の注意点のポイントはどのようになっているのでしょうか。
エンジン周り
125ccクラスのバイクは、水冷や空冷エンジンがラインナップされていて、その多くが単気筒エンジンとなっています。
そのため、低速域での力強いトルク特性が魅力となっています。優れた低燃費性能を発揮し、中距離の通勤には最適なバイクです。
パワフルなエンジン特性を活かし、ガンガン幹線道路を走行する方が多いこともあり、バイクにとっては過酷な使用環境となる傾向も。
10000kmを超える中古車に関しては、エンジンの異音確認・メンテナンス履歴をチェックする必要があります。
車体周り
125ccのバイクにとっては、激しい走行シチュエーションが多い傾向が。エンジンとフレームを接続するエンジンハンガー部のガタに注意が必要です。
一見、健全な車輌に見えても、走行してみるとブレることがります。
また、サスペンションのオイル漏れやオイルシールのひび割れもチェックする必要があるでしょう。
常用するスピード域が上がることから、ブレーキ周りのパーツが著しく磨耗する傾向があります。特にブレーキディスクは要注意です。
駆動系パーツ
チェーン駆動の場合は、420とコンパクトなサイズを採用しています。ベルトタイプに関しても、スピードレンジの小さい細いタイプとなります。
駆動系パーツのベルトやチェーン、スプロケットなどが交換時期に来ている可能性がありますので、交換履歴が重要となります。
125ccのバイクは小さいこともあり、気軽に購入できる印象があります。一方で、原付バイク同様シビアなチェックが必要です。
250cc
スポーツモデルからスクーターモデルまで幅広いラインナップが魅力の250cc。人気とともに性能がハイテク化することで、新車価格が高騰しています。そのため、型落ちや程度が良い中古車は狙い目です。
エンジン周り
高速道路が走行可能など、ツーリング時にもメリットが多い250ccクラス。
低燃費性能に優れ、耐久性のある単気筒や並列2気筒エンジンが主流となっています。10000kmを超えるような車両が多く、長く付き合える傾向があります。
一方で、タペットクリアランスの調整やエンジンパーツの交換サイクルを迎えている車両も多くあります。エンジンの異音チェックとともに、メンテナンス履歴を必ずチェックしましょう。
車体周り
250ccクラスのバイクは、通勤のみで使用する方からツーリングでも使用する方などさまざま。
タイヤやブレーキ周りなどの消耗パーツが多く発生するのは、意外にも通勤をメインにした中古車です。ストップアンドゴーが多発すると、バイクにとっては負担となることが多いです。
一方で、ツーリングをメインに距離数がかさんでいる場合は、意外と消耗パーツが少なく、状態が良いケースがあります。
駆動系パーツ
250ccクラスのオートバイタイプのチェーンサイズは、428などの小さな仕様が多いです。
使用環境によっては伸びやすく消耗しやすい傾向があります。リヤスプロケットの歯がやせ細っているかをチェックすると良いでしょう。
スクーターモデルに装着されているベルトやウエイトローラーなどの駆動系パーツの多くは、20000kmに大きなメンテナンス時期が来ます。
20000km走行付近の中古車を選ぶ場合は、要注意ですね。
250ccクラスの中古車はタマ数が多い傾向がありますので、妥協せずにじっくり選んでみてください。
400cc
パワフルなマルチエンジンを搭載したモデルやアメリカンモデルが多くラインナップされています。250ccクラスのよりもゆとりのある走りが魅力のカテゴリー。
400ccから2年に1度、車検を定期的に通す必要があるため、車両の状態とは別にチェックする必要があります。
エンジン周り
街乗りからツーリングまで幅広い用途で人気となっていますが、エントリーライダーや女性の方に人気の排気量となっています。
エンジンの耐久性は優れたものが多いこともあり、20000kmを超えたあたりの車両から注意する必要があります。
主な注意点として、カムチェーンやバルブ周りの異音・シリンダー周りの打音などです。
また、オイル交換の頻度が少ないことで、オイル上がりを起こしている可能性もあります。オイル漏れとともにオイル残量をチェックしてみてください。
ヤンチャなカスタムが施された車両が多い傾向がありますので、そのような車両は敬遠するべきでしょう。
車体周り
400ccクラスのバイクは、10000km刻みで消耗部品の交換時期が来る傾向があります。
20000kmも走行すると、タイヤだけではなくブレーキディスクやブレーキパッドも交換時期になることも。
このクラスになると、交換部品の金額が高くなります。購入前に入念にチェックしてください。
駆動系パーツ
チェーンタイプの駆動系パーツを使用する場合は、520サイズと太めのチェーンを使用しています。目立つサビがなければ、25000kmほどは使用することが可能となります。
チェーン周りの交換部品は、工賃を含めると5万円近くかかることもあります。
スクータータイプは、250ccクラスと同様の注意が必要となります。
大型
憧れとなるバイクの多くがラインナップするトップカテゴリーです。ハーレーなどのアメリカンやレースシーンで活躍するレーサーレプリカも多くラインナップされています。
エンジン周り
401cc以上のエンジンを搭載している大型カテゴリーの多くは、低中速域での力強いトルクを持っています。発進時にシビアなクラッチ操作をしなくても楽に発信できるほどです。
距離数がかさんでもエンジンの使用する回転数が低く抑えることができます。そのため、30000kmを走行しても必要なメンテンナンスをしていればまだまだ現役として走行できます。
しかし、サーキット走行を経験したこともあるスポーツバイクに関しては注意が必要です。日常では使用しない高回転域を多用することから、エンジンの消耗が著しく進んでいる傾向があります。
車体周り
自損事故などのアクシデントで強い衝撃がない限り、30000km近く走行しても問題がない車両が多いです。
しかし、サスペンションなどのオイル漏れやシール類の劣化には注意が必要です。エンジンの耐久性はありますが、ゴム類を使用するシール類は小排気量同様にオイル漏れを起こす可能性があります。
外装パーツが高価な傾向がありますので、購入時にくまなくチェックすることをおすすめします。
駆動系パーツ
チェーンタイプ・ベルトタイプ・ドライブシャフトタイプなど、さまざまな仕様があります。
それぞれの耐久性は、ハイパワーを発揮する排気量だけあり耐久性に優れたものを仕様していますが、20000km周期で交換時期が来る傾向があります。
ドライブシャフトタイプに関しては、定期的にドライブシャフトオイルを交換すれば良いです。稀にメンテナンスを怠った車両があり、走行時にゴリゴリと異音を発生させる車両がありますので、注意が必要です。
まとめ
魅力のある車両を手頃な価格で手に入れるチャンスがある中古車市場。選び方を間違えると痛い出費が後からかかる可能性も。
排気量別の注意点を把握すれば、外れとなる中古車を選ぶリスクが激減します。素敵な車両と出会い、素晴らしいバイクライフが遅れることをお祈りしております!
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