カワサキがレースシーンで得たノウハウをフィードバックして造り出すZX-10Rシリーズ、ZX-10R/ABS・ZX-10RR・ZX-10R SE。
そのスペックと性能は、レーサーマシンと呼ぶにふさわしいハイスペックな内容で多くのファンを獲得しています。
ZX-10Rシリーズは、2019年モデルへとアップグレードすることで、さらなる進化を遂げているようです。
今回は新型ZX-10Rの進化の内容を中心に、発売日や価格、それぞれのタイプの特徴やインプレを交えて魅力を発掘していきましょう。
2019年モデル 新型 ZX10Rシリーズの特徴
2019年モデルが大きな進化を遂げたことは、外観ではわからないものばかり。なぜならエンジン内部構成を主にブラッシュアップしているからです。
スーパースポーツバイク初となる200PSを超える出力を発揮したことで話題となりましたが、2019年モデルは最高出力がさらにパワーアップ。
まずは、注目の進化したポイントをチェックしていきましょう。
4タイプ共通の変更点

最高出力を大幅に向上させた理由の一つに、バルブ駆動方式を大幅にブラッシュアップしたことが挙げられます。
これまでの直押しカムシャフトから、これまでのカワサキのレーステクノロジーをフィードバックしたシステムを新たに採用。
こちらが新たに採用された「フィンガーフォロワーロッカーアーム」です。
従来通り一本ずつカムシャフトを配置し、ロッカーアームを新たに採用することで最高エンジン回転数を上昇させ、フリクションを大幅に軽減しています。
さらに高回転域まで吹け上がるエンジンは、さらにサーキット特性を向上させたと言っても良いでしょう。
2019年からは、高性能なエンジンを象徴するようにシリンダーヘッドカバーを赤くペイントされていますね。
フルカウルで隠れてしまうのがもったいないくらいですね・・・
ZX10RRの特徴

サーキット性能が最もハイスペックなZX-10RR。腰上周りをブラッシュアップしていますが、さらにコネクティングロッドをチタン製とすることで、エンジン出力の向上と走行性能の向上に一役かっています。
また出力特性に合わせて専用サスセッティングを施すことで、ハンドリングが向上しています。

世界500台限定販売となることから、トップブリッジにはシリアルプレートを採用。ライダーの所有感を満たし、コクピット周りの質感を高めていますね。
ZX10R SEの特徴

前後に電子制御サスペンションを採用しているZX-10R SE。
2018年のデビューイヤーからエンジン周りのブラッシュアップを組み合わせたことで、さらにスポーツ性能の高い仕様となりました。
新型となる2019年モデルには、新たに「ハイリーデュラブルペイント」を採用。高品質な質感を表現しながら、傷の自己修復を可能にしています。
ZX-10R/ZX-10R ABSの特徴

同じく腰上周りのブラッシュアップを主な変更点としながら、2018年モデルでは採用されていなかったクイックシフターを標準装備しました。
2019年モデル 新型 ZX10Rシリーズのカラーリング
ZX-10RR

サーキットで勝つために造り込まれたZX-10RR。ジョナサンレイが世界選手権で常勝を誇ったKRTレプリカカラーを採用しています。
ハイスペックなバイクには、レーサーライクなカワサキカラーが美しくフィットしていますね。
ZX-10R SE

2019年のカワサキを象徴する暗めのグレーを基調としたカラーにカワサキグリーンを組み合わせた渋いカラーがラインナップ。
ツーリングシーンにもシックに楽しめる、落ち着いたカラーリングが特徴的ですね。
ZX-10R/ZX-10R ABS

「これぞカワサキ」と一目でわかるライムグリーンが特徴的な1台。色鮮やかなカラーリングを基調としていますが、シンプルなNinjaの文字がライダーのテンションをあげてくれそうです。
足回りのブラックとライムグリーンの組み合わせ、カワサキファン必見の仕様と言えるでしょう。
2019年モデル 新型 ZX10Rシリーズのスペック

ZX-10R/ABS | ZX-10R SE | ZX-10RR | |
---|---|---|---|
全長×全幅×全高 | 2085mm×740mm×1145mm | ← | ← |
車輌重量 | 206kg | 208kg | 206kg |
ホイールベース | 1440mm | ← | ← |
シート高 | 835mm | ← | ← |
エンジンの種類 | DOHC水冷並列4気筒エンジン | ← | ← |
排気量 | 998cc | ← | ← |
最高出力 | 203PS | ← | 204PS |
最大トルク | 11.7kgf | ← | 11.8kgf |
燃料タンク容量 | 17L | ← | ← |
燃費性能 | - | - | - |
2019年モデル 新型 ZX10Rシリーズのインプレッション

2019年モデルは、それぞれのタイプがエンジンをブラッシュアップしたアグレッシブな仕様になっていましたね。
タイプ別ではどのような走行性能を発揮するのか、これまでの情報を踏まえてチェックしていきましょう。
ZX-10RR

ZX-10Rシリーズの中でもハイパフォーマンスを発揮するトップグレード。
2018年モデルからシャシに手を加えなかったのは、これまでのパフォーマンスには十分の完成度を誇っていたことを証明しているようですね。
レースで勝つために求められていた要素は、さらなるエンジンパワー。これを新たに採用したフィンガーフォロワーバルブを採用したことで、さらに500rpmのエンジン回転数を確保しました。
高速域だけパワーアップしたピーキーな仕様になったのかと錯覚しますが、中速域のトルクを殺さずにそれを達成しているとのこと。
このマシンをベースに、ジョナサンレイがさらなる勝ち星をあげることが約束されているかのような素晴らしい仕様に仕上がっているようですね。
ZX-10R SE

電子制御サスペンションを組みわせたZX-10R SEは、モアパワーを柔軟なセッティングが可能なシャシが様々なシーンに対応するでしょう。
メーター内でサスセッティングが可能になったことで、ソロ・タンデム・荷物積載時などのあらゆる場面で簡易的にセッティングできることは大きなメリットです。
さらにマルケジーニ製ホイールを標準装備するなど、バネ下周りの軽量化にも余念がありません。
レーススペックを誇りながら、ツーリングなどの使い勝手も向上した万能グレードと言って良いでしょう。
ZX-10R/ABS

同じくエンジン仕様をブラッシュアップしながら、クイックシフターを標準装備しました。
クイックシフターはレースシーンで活用されるパーツですが、最近では多くのスーパースポーツバイクが装備するポピュラーなものに。
シフトアップ・シフトダウンの時にクラッチ操作をせずにシフトチェンジを可能とすることで、ライダーの疲労を大幅に軽減することができます。
サーキットだけでなく、ワインディングでの走行性能も大幅に向上し、さらにアグレッシブな走りを可能にしました。
2019年モデル 新型 ZX10Rシリーズの発売日

発売予定日:2018年10月1日
今回ご紹介している4タイプは、導入国で順次導入するとのこと。日本は10月中旬頃の販売開始が期待できますね。
ZX-10Rシリーズは1000ccクラスの大型クラスのため、国内仕様に関してはカワサキプラザなどのフラッグシップショップへ。
逆輸入車を狙っている方は、それぞれの取扱店で問い合わせてみましょう。
2019年モデル 新型 ZX10Rシリーズの新車価格

新車価格:未定
2019年モデルはエンジン内部を中心に、アップデートした仕様になっています。そのため、4タイプともに新車価格は3万円から5万円ほどアップするかもしれませんね。
コスパよりもスペックや性能を重視するフラッグシップモデルのZX-10Rシリーズ。RRに関しては280万円を超える価格帯になりますが、妥協を許さぬ造り込みがスポーツバイクファンの心を掴むことになりそうですね。
2019年モデル 新型 ZX10Rシリーズの関連動画
まとめ
強力なライバルがラインナップするスーパースポーツカテゴリー。そのなかでも独特な存在感とハイスペックな性能を進化させた2019年モデル
もはやレーサーとしても十分な性能を発揮するZX-10Rシリーズは、担い買いやすい性能を持っていることも注目すべきポイントです。モンスターパワーを思うがままに操ってこそ、このバイクの本質が見えてくるのでしょう。
ZX-10RとRRの画像逆ですよー
すみません、完全に入れ違いになってましたね…。
ご指摘ありがとうございます!