バイクメーカーのフラッグシップモデルが数多くラインナップする大型バイクカテゴリー。
大型バイクの多くはメーカーが誇る最先端の機能や装備を標準装備し、華やかなルックスと高性能な機能性が魅力の1つです。
それだけに新車価格が高騰することは覚悟のうえですが、購入後にかかる年間維持費も事前にチェックしておくべきですよね。
今回の記事では、確認しておくべき大型バイクの年間維持費である保険料や税金・車検費用・メンテナンス費用を含めたコストについて解説します。
税金や車検等、固定費だけでみると10万円程度ですが、ガソリン代やメンテナンス費用についても把握しておきたいところです。
大型バイクの維持費:保険料の相場
まずは大型バイクを維持するために必要不可欠な保険関連からチェックしていきましょう。
バイクを運転するために必要な保険は、必ず加入しなければならない「自賠責保険」と任意で加入する必要がある「任意保険」の2つがあります。
それぞれの特徴と金額、加入方法についてもご紹介しますね。
自賠責保険
大型バイクを運転するために必ず加入する必要がある保険が「自賠責保険」です。
これは国土交通省が自動車損害賠償保障法に基づき、加入しなければ事故の際に多額の賠償と罰則を設けたものです。
401ccを超える排気量のエンジンを搭載した大型バイクは、車検を通すタイミングで自賠責保険に加入・更新必要があります。
購入するバイクが新車だった場合は3年、中古車であれば2年の自賠責保険に加入することになります。
バイクを購入するときの自賠責加入は、バイクショップが手続きしてくれます。車検を通すタイミングでの更新も、バイクショップで保険を更新することができますよ。
ユーザー車検の場合は、管轄の陸運事務局に隣接している事務局で自賠責保険を更新することができます。
1年 | 9,180円 |
2年 | 13,640円 |
3年 | 18,020円 |
加入に必要なコストは上記の表の通り。更新の場合は手持ちの自賠責保険証書を忘れずに持参しましょう。
任意保険
任意保険は法律的な加入義務はないものの、なにかあったときの保険として加入することが必ず必要なもの。
任意保険とは、相手方の補償である「対人補償」「対物補償」、自分への補償の「人身傷害」「搭乗者傷害」「車両保険」など手厚い補償をコストに合わせて加入することができる保険です。
保険会社はチューリッヒ・アサヒダイレクト・三井ダイレクト損保など、代表的な保険会社をはじめ、ネットからもたくさんの保険会社を選ぶことができます。
任意保険加入に必要なコストは、選ぶ特約や補償によって変化し、さらに年齢によってコストが変わる複雑なシステムです。
だいたいどれくらいのコストがかかるのか、参考例としてまずは下記の表を参考にしてみてください。
〜29歳 | 73,330円 |
30〜39歳 | 71,870円 |
40〜49歳 | 67,630円 |
50〜59歳 | 64,920円 |
60〜65歳 | 66,400円 |
こちらはすべての補償を手厚くしたシステムで見積もりを出した一例です。
このように年齢や加入する補償内容によって大きくコストが変わります。ネットでも簡単に見積もりを出せるようになっていますので、気になる方はそちらもチェックしてみてくださいね。
保険会社の数は多く、どの会社を選んで良いかも迷ってしまいがちです。そんなときはバイクショップにおまかせしてみるのはいかがでしょうか。
保険会社だけでなく、ライダーの使用用途にあった特約や補償内容を提案してくれるはずですよ。
大型バイクの維持費:税金の相場
大型バイクを維持するためには、2つの税金を納める必要があります。
「重量税」と「軽自動車税」の2つ。それぞれ課税するタイミングが決まっていて、納税するタイミングも異なります。
年間維持費のコストを計算するために必要不可欠な税金についてチェックしていきましょう。
軽自動車税
軽自動車税は、4月1日時点で大型バイクを登録しているときに6,000円が課税されるものです。
1年に1回支払う必要があり、市役所や区役所から納税交付書が送付されます。納期は5月中になっていることが一般的ですね。
重量税
重量税は新車購入時、または車検を通すタイミングで支払う必要がある税金です。
登録後12年までは1900円、登録後13年〜17年までは2,200円、登録後18年以上は2,500円がかかります。
軽自動車税が一律なのに対し、年式が古いバイクは重量税が高くなるシステムです。
大型バイクの維持費:車検費用の相場
大型バイクは排気量が401ccを超えているエンジンを搭載しています。そのため、車検を定期的に通す必要があります。
車検費用をチェックするうえで重要なポイントと具体的にかかるカテゴリーと費用についてもチェックしていきましょう。
車検頻度
大型バイクの車検費用を調べるうえで、購入するバイクの状態によって車検を通す頻度が変わることを知る必要があります。
新車で購入した場合は、初めての車検は3年、次からの車検は2年に1回の頻度で通す必要があります。
次に中古車を購入した場合は、2年に1回車検を通ることになります。
車検の頻度はのちほどチェックするコストに関連していますので、所有しているバイクがどのカテゴリーになるか知っておいてくださいね。
車検にかかる必要なコスト
まずは大型バイクの車検にかかるカテゴリーとコストをチェックしていきましょう。
自賠責保険 | 2年 | 13,640円 |
3年 | 18,020円 | |
重量税 | ~12年 | 1,900円 |
13年〜17年 | 2,200円 | |
18年~ | 2,500円 | |
印紙代 | 1,700円 |
ここまでがユーザー車検で必要になる事務的な費用です。もしユーザー車検で通す場合は、陸運事務局で必要な書類が用意でき、支払いもすべて完結することができます。
次に、バイクショップで車検を依頼する場合は、上記の事務的な費用の他に下記のような手数料がかかります。
車検整備費用 | 20,000円〜30,000円 |
車検手数料 | 15,000円〜30,000円 |
これらはバイクショップが代行してくれたときに必要になる手数料です。ショップやバイクの状態によって整備費用や手数料が変わってきます。
馴染みのバイクショップがない場合は、車検に必要な費用がいくらかかるのか、見積もりを取ることをおすすめします。
別途工賃
大型バイクを車検に通すためには、国土交通省が定めた基準を満たす必要があります。
例えばタイヤのスリップサインが出ている・サスペンションのオイル漏れ・灯火類の不備などがあると、車検を通すことができません。
車検を通すための基準に満たない場合、車検整備費用の他に修理に必要がパーツ代、工賃が別途かかることをイメージしておきましょう。
年式が古かったり、走行距離が伸びている場合は、車検を通すために必要な修理代がかかってしまう傾向があります。
大型バイクの維持費:ガソリン代の相場
大型バイクに乗っているライダーの多くは、ツーリングを楽しむ方も多いのではないでしょうか。
ストリートメインであっても排気量が大きい大型バイクのガソリン代がいくらかかるのかは、チェックしておきたいポイントです。
大型バイクには、レギュラーを推奨しているバイクとハイオクを推奨しているバイクの2パターンがあります。
ガソリン代は時期によって大きく価格が変動しますが、レギュラーは130円前後、ハイオクは145円前後が平均でしょうか。
大型バイクといえど、多くの排気量やエンジン形式をラインナップしています。そのカテゴリーによって大きく差異がありますが、平均して25km/L〜30km/Lが燃費性能としてスペック記載されています。
ツーリングをする機会が多い方になると、年間で20,000kmほど走るライダーもいるのではないでしょうか。
乗っている大型バイクの燃費を25km/Lとして、年間20,000km走行。ガソリン代はレギュラーが130円、ハイオクを145円とすると・・・
ハイオクで116,000円、レギュラーで104,000円ほどのガソリン代が年間で必要になります。
平均的にみると年間10,000kmほどのライダーが多いでしょう。その場合レギュラーで年間52,000円になります。
10,000km | 52,000円(レギュラー) |
20,000km | 104,000円(レギュラー) |
通勤で使うバイクであれば燃費性能を意識したバイク選びをするかと思います。しかし大型バイクはツーリングなどのレジャーやスポーツシーンを楽しむことに特化している傾向があります。
たくさん走ってもこれだけのコストを年間で計算しておけば、たくさんの冒険を楽しむことができますね!
大型バイクの維持費::修理・メンテナンス費用
大型バイクはバイクカテゴリーの中でもフラッグシップモデルを抱える花形カテゴリーです。
そのためメーカーが誇る最先端の技術や機能を標準装備したモデルが多く、新車価格が高騰することも納得できます。
そのため交換時期を迎えた消耗パーツや修理が必要になったパーツが他の排気量よりも高額になる傾向があります・・・
ここではメンテナンス・修理にかかるコストとして、特に知っておきたいカテゴリーをご紹介しますね。
タイヤ
アメリカン・スクーター・オフロード・ツアラー・スーパースポーツと多様なジャンルがある大型バイク。
タイヤの交換サイクルは、スリップサインが見える頃がそのとき。タイプにもよりますが、ハイグリップのもので10,000kmほど。ロングライフのものだと20,000kmほどで交換サイクルが来る傾向があります。
大型バイクのなかでも、チューブタイプのものはタイヤ交換の際にチューブも新品にすると良いですね。
前後の交換を前提に、45,000円〜80,000円ほどが相場となります。
太いラジアルタイヤ、さらにはハイグリップのタイプだと価格が高騰します。
目安として2年で交換と考えると1年間で22,500~40,000円となります。
オイル関連
オイル交換は、3,000km〜5,000kmほどで交換サイクルがきます。
さらにオイルフィルターはオイル交換2回に1回交換を推奨しているメーカーが多いですね。
オイルやフィルターもメーカーやグレードによりますが、オイル代が10,000円から20,000円ほど。フィルターは2,000円ほどが相場です。
オイル交換サイクルはエンジンの寿命や特性を決める重要なカテゴリーです。メーカーが推奨するサイクルよりも早く交換したいところですね。
年間10,000km走るとすると、オイル・フィルター代が安くて22,000円ほどになります。
ブレーキ関連
ブレーキ関連で重要なのは、ブレーキパッド・ブレーキディスク・ブレーキフルードです。
ブレーキパッドは摩耗して交換サイクルがきた時に交換。ブレーキローターも同じですね。
ですがブレーキの摩耗具合は判断しづらいケースもあり、これは定期点検でショップに任せてしまうことをおすすめします。
またブレーキフルードは車検ごとに交換することが一般的です。
ブレーキパッドは10,000km〜15,000kmほどで交換時期が来る傾向が。ローターはその倍は使えそうです。
気になるコストは、パッドが10,000円前後、ローターは1枚15,000円から高額なタイプで100,000円ほど。
ブレーキフルードは3,000円ほどでしょうか。
このあたりも交換時期を迎える前に、事前にチェックをして交換していきたいカテゴリーですね。
サスペンション関連
サスペンションに関してもバイクによって、多くのタイプを採用しています。
共通して注意したいのは、オイルシールの破損とオイル漏れです。
メーカーが定めているサスペンションオイルのサイクルがありますが、これらにトラブルがあった場合は、サイクルに関係なくオーバーホールが必要と考えて良いでしょう。
1年で簡単にダメになるものではないですが、サーキット走行の頻度が多い方やオフロード走行する方はメンテナンスの頻度を上げる必要があります。
サスペンションをオーバーホールすると、フロントで30,000円〜40,000円ほど。リヤも同じようなコストで作業することになります。
ここでご紹介したカテゴリーのメンテナンスは、前項でご紹介した車検を通すための条件にも関連する重要なポイントです。
1年間で必要なメンテナンスと意識して、大型バイクに必要な経費として事前に積み立てておくと良いかもしれません。
大型バイクの維持費:駐車場代
大型バイクはクルマよりも駐車をする場所を探すことに苦労しがちです。
駐車場代は、住んでいる家のタイプによって大きくコストが変わります。
所有している住居が戸建であればコストをかけず、安全に駐車することができて便利ですよね。
大型バイクを駐車できる専用のスペースを備えたマンションであれば、月に10,000円ほどで停めることができるケースもあるようです。
しかしマンションやアパートの多くは、大型バイクの駐車を禁止しているケースもあります。
その場合は、近隣の貸しコンテナに大型バイクを停めることをおすすめします。土地やタイプにもよりますが、10,000円〜30,000円ほどで安全に保管することができます。
はじめて大型バイクを購入する方にとっては、以外な出費だと感じるかもしれません。しかし大型バイクは高価で大事な愛車ですから、安全を優先して駐車スペースを探すことをおすすめします。
大型バイクの維持費:年間の相場は意外と安い
これまでにかなりのケースを想定して、大型バイクを所有したときのコストをチェックしてきました。
年間の走行距離・車検はバイクショップを利用するのか・任意保険のタイプ、大きく分けてこれら3つのカテゴリー次第で年間維持費が大きく変化することがわかります。
使用用途に応じて変化しますが、大体の年間維持費を算出してみます。
車検に関連する費用は2年分になるので1年分に割った額としています。
ガソリン代についてはバイクの維持費用ではないので省きます。オイルやパーツ関連についても使用頻度で変わってくるので省きます。
維持するだけでかかってしまう固定費の額ということになります。
保険 | 自賠責保険 | 6,820円(1年分) |
任意保険 | 71,870円(30〜39歳) | |
税金 | 軽自動車税 | 6,000円 |
重量税 | 800円(1年分) | |
車検費用(自賠責・重要税以外) | 印紙代 | 850円(1年分) |
車検整備費用 | 10,000円(1年分) | |
車検手数料 | 7,500円(1年分) | |
合計 | 103,840円 |
103,840円となりました。
大型バイクというと車体価格も高いですし維持費が高くなると思いがちですが、意外と中型バイクとそれ程大きくは変わらず安いと言えそうです。
ただ、パーツ・メンテナンス費用は高くなりがちなのでその心構えは持っておいた方がいいでしょう。
まとめ
今回は大型バイクにかかる年間維持費をカテゴリー別にチェックしてみました。
様々なケースでコストが大きく変わるからこそ、どのような使い方がどのような変化をもたらすのか。購入前であっても知っておくことで、突然の出費を抑えることができそうですよね。
新車・中古車が値引き金額から、さらに安くなる裏ワザとは?
「このバイク、予算オーバーだ…」
「値引き交渉したいけど苦手で…」
「ディーラーを回るのが面倒だ…」
「新車を最安値で手に入れたい…」
「車種を比較する時間ないな…」
「ディーラーの売り込みがイヤ…」
など、新車の購入を
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